シリア旅行(10)25th Aug. マアルーラ〜夜のダマスカス旧市街
シリア滞在も10日目を迎えました。今日はまず、マアルーラ(Maalula)へのショートトリップです。
このマアルーラという村は、その筋の人にとっては有名な村です。つまり、イエスが話したのとおなじアラム語を話しているという村だからです。
古代の歴史ロマン2 アラム語?イエスの誕生、キリスト教の全貌
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もちろん、全く同じというわけではありません。当然ですね。だだ、今回の訪問では、その言語を聞く機会はありませんでした。
ここには、聖女テクラ(彼女はパウロの弟子、ということになっています)を記念した教会があります。もっとも、現在は、教会というよりも修道院で、女子修道院となっています。
ちょっと不思議だったのは、雰囲気がスイスの観光地によく似ていることでした。ごつごつとした岩山に囲まれた、谷間の観光地という感じと、日が直接当たらないので大分涼しいことも、なんとなくスイスっぽかったことなのでしょう。スイスに行ったときの、昔の感覚がなんとなく蘇ってきました。
修道院長のMrs.Khuriさんによる、アラム語の歴史についてのレクチャーがありました。
↓こんな風にパンも作っていました。
イエスと同じ言葉を話す村、ということで、特に欧米からもそこそこ観光客も来るようです。 とはいえ、ちょっともったいないのですが、何かものすごい観光名所があるというわけでもないので、ノスタルジックな気分以外には、ちょっとインパクトに欠ける感は否めません。もうちょっと何か工夫したらいいのに、と思わないでもないですが、まあ、仕方ないのかな。
というわけで、滞在は午前中のみでおしまい、ダマスカスに戻ってきました。
この日の午後は自由時間ということで、しばし休憩のあとホテルのまわりを一人で散歩することにしました。この辺はダマスカス大学が近くにあるので、文房具屋さんがいくつかありました。
行き先は、ホテルの近くの、前から少し気になっていたThe Hand Craft Marketです。
↓見ての通りあまり人通りは多くありませんでした。
この建物自体は、オスマントルコ時代に、スレイマン大帝(Kanuni Sultan Süleyman I, 1494-1566)によって作られた学校を基にしたもののようです。中に進んで行っても、アレッポのような客引きはありません。気に入りました。こちらの方が職人肌の人が多いのか、それ故に商売っ気がないのか、ただ黙々と自分の作業に集中しているようです。
やたら多かったのは、貴金属の類でした。
やはり、金銀は、直接の財産になるためか、どこでも人気なのかもしれません。日本は、あまりそういう意味で金銀を持つ人というのは少ないように感じます。
夕方からは、食事に行くことにしました。
旧市街に入り、スークを抜けて、ウマイヤドモスクへ。シリアの天気はいつでも快晴で、夕方になってくると涼しくなって本当に気持ちいいのですが、星を目にすることはなかなか難しいです。おそらく、砂漠の砂が舞い上がり、視界を遮っているのではないかと思われます。日本の都会とはまた別の意味で星が見えないのはちょっと残念ですね。
以前入り損ねた喫茶店のようなところに入ります。
このおじさんは、アラビア語で物語の朗読をしていて、ちょっと内容はわかりませんでしたが、なかなか雰囲気もよかったです。おじさんの話そっちのけでしゃべってたりしていた観光客が怒られたりして、それもまたよかったです。写真で見てわかる通り、この様子を撮影している人がいました。
さて、いよいよ地元のレストランに入ります。
見たとおり、なかなか感じよいレストランです。ウードの生演奏付きですけれど、お酒は当然ありません。みんなコーラやセブンアップなどを飲んでいます。それでもちゃんと盛り上がっているので、「酒がないと盛り上がらない」というのは、完全な思いこみに過ぎません。
右側のおじさんが演奏している琵琶のような楽器は「ウード」といいます。アラビア語で「木」を意味する言葉から来ました。もちろん日本にもウード奏者はいます。私は、この辺の音楽については詳しくないので知りませんでしたが、常味裕司さんという方が、Google様の御神託により、トップに出てきました。かなり精力的に演奏活動をされておられるようです。
楽しそうに踊っていました。盛り上がったら、とりあえず踊る、という文化はあまり日本では主流ではない気がします。そういう場所もない気もします。
<つづく>