Travel Note

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関空雑記(11)No Halal

 ここ数年の関空は、がんばってḤalāl-Airportといいますか、ムスリムフレンドリー空港といいますか、(経済力を付けてきたインドネシアやマレーシアからの観光客を見込んで)いろいろなところでムスリムたちにも心配なく空港を使ってもらおうという方針をたてて、それにそった工夫をあちらこちらにしています。このことについては、以前記事にしたことがあります。

関空雑記(2):礼拝室とハラール - Travel Note

 この記事以降(2013/9/22付)も、しばしば関空だけでなく、日本の空港全体でムスリムに対する対策といいますか、それなりの対策がされるようになってきています。たぶん、オリンピックも行われるでしょうし、インドネシアやマレーシアから来る人も増えるでしょうから、それはそれでよいのでしょう。それでふと見たSakura Loungeの表記。

 この食べ物はハラールではない、とわざわざ表記したちょっと珍しい表記です。この表記から、日本人、もしくは、日本語を母語とする人たちに対してのものではないと思われます。こういう表記はちょっと珍しいので紹介してみました。勝手な想像ですが、おそらく、実際に「これはHalalなのか?」と聞かれたのでしょう。

 さほど食べるものがないSakura Loungeですから、わざわざHalalの食べ物を用意するというのも大変だろうと思いますが、これからは、そういうことも必要になってくるのではないかと思います。

 とはいえ、いまひとつ、このHalalというのが、水戸黄門の印籠というか、これがあればいいだろ?というすこしずれた方向に行っているような気もしないではないです。日本に住むほとんどの人は、イスラームについての知識はありません。せいぜい、「豚はダメ、一日5回の礼拝」くらいでしょうか。そのような状況で、「これからはイスラム教徒も取り込まないと、商売にならない!じゃあ、ハラール認証だな!」という、若干単純化した思考になってしまうのは仕方ないかもしれません。最初はそれでもいいのかもしれませんが。

 すこし、視点を広げるために、同志社大学の内藤教授のインタビューの記事を紹介しておきましょう。

「タリバン幹部と鍋を囲みました」:日経ビジネスオンライン

 この記事についての話は、こちらの著作にもあります。